川崎市中原区を中心に、誰もがいつまでも自分らしく地域で 暮らすことができるための支援活動をしている特定非営利活動法人です。

代表あいさつ


ホッとスペース中原
代表 佐々木 炎

ホッとスペース中原のホームページへお越しいただきありがとうございます!

ホッとスペース中原は、1998年11月に、ご利用する全ての方々に『ホッ』とくつろげる場所を提供したいと考えて活動を開始しました。

それは、一人ひとりの方をかけがえのない存在として考えているからです。
そして、人は能力で評価されるのではなく、神様に目的と意味を持って造られた存在としてそのままで尊いと考えているからです。

私自身は青春時代に、社会と大人たちから価値のない存在として扱われていると感じていました。
そのため、暴走族として過ごし、アイドルを応援する親衛隊の隊長として自分の存在をアピールしました。

そんな私が立ち直り今あるのは、教会を通して次のことを知ったからです。

神様は自分の最も愛する一人子である主イエスを、十字架に身代わりに掛けるほどに、私たちを尊い存在として愛しぬいてくださっている。

『こんな私だから尊い』

それはコペルニクス的な喜びでした。

私はその価値観を持って社会福祉に携わり、多くの高齢者や障がい者、子どもたちを通して自分の存在の尊さに気付かされ、自分を愛することができるようになり、誰でもない自分の尊さを生きてよいことを知ることができました。

私はこの体験から、同じように『高齢者』『障がい者』『子ども』という存在を通して、社会が豊かになると信じています。
彼ら、彼女たちこそ、私たちを癒し、育んでくれる大切な存在なのです。

私たちは、一人ひとりがハンディの有無に関わりなく、等しくかけがえのない尊い存在として扱われ、幸福を自分のものとして受け取り、使命を全うできるような社会を創造したいと願っています。

ホッとスペース中原 代表 佐々木 炎
1965年静岡県生まれ。青春時代は不良少年として過ごした。聖隷学園福祉医療ヘルパー学園卒、聖契神学校卒、日本社会事業学校専修科卒後。特別養護老人ホーム職員、プライベート介護に携わった後、1998年、教会開拓と同時に教会堂で宗教法人格の「ホッとスペース中原」を始める。2009年4月よりNPO法人に変更し、理事長に就任。現在、主任介護支援専門員やサービス管理責任者として現場に携わりながら、東京基督教大学・上智大学グリーフケア研究所グリーフケア人材養成講座・読売理工医療福祉専門学校・品川介護福祉専門学校で講師を務める。社会福祉法人愛隣会、牧ノ原やまばと学園理事。牧師。キリスト新聞社取締役。全国社会福祉協議会「月間ふれあいケア」編集委員。介護福祉士会「認定介護福祉士」「ファーストステップ研修」「認知症ケア」の講師を務める。各地で「看取り介護(ターミナルケア)」「認知症ケア」「人間の尊厳と自立」等の講演をする。著書に「落書きの教科書」(キリスト新聞社)「人は命だけでは生きられない」(いのちのことば社)など。

傷みを抱える者と共に – 佐々木 炎

傷みを抱える者と共に イメージ画像私は非嫡出子(法律上の婚姻関係にない男女間に生まれた子)として生を受けました。

父は40歳代の頃、精神病院に隔離入院させられていました。その病院にボランティアに来ていた19歳の母へ、父は病院からの脱走の手伝いを依頼し、母はそれを真に受け、夜中に決行したのです。

病院から外へ出たものの、病を抱えた父は仕事ができず、28歳年下の母が生計を支え、逃避行の連続で同じ場所に3か月と定住していられませんでした。飢えの連続で、他人の軒先を借りるなどして、約10年間のホームレス生活を続けているとき、母のお腹に私という生命が宿りました。社会通念上許されないお腹の中にいる私の存在を誕生させるか、両親は悩み抜いた末に産む決断をし、私は産まれることが許されたのです。

しばらく定住を求めながら、小さな村から2キロ離れた山に、ゴミ収集場から拾い集めた資材で、掘立て小屋を建てました。水道も電気もなく、屋根は何度も風で飛ばされ、雨漏りの連続でした。テレビや冷蔵庫、お風呂もなく、ロウソクの明かりで生活、そんな生活の中で私は不良少年になりました。

家には帰らず、友だちの家やゲームセンターに入り浸り、夢も希望もない中で、気がつけば何百人もの不良グループのリーダーになっていました。そこは社会の負の縮図そのものでした。病気、失職、ひとり親、貧困、アルコールやギャンブル依存症、借金苦、DV等々、仲間のほとんどの家庭が、複数の深刻な問題を抱えて、家庭崩壊していました。

そんな環境を理解せず、私たちへの敵対感をむき出しにする大人へ、子どもである私たちができる選択肢は、反発や反抗しかありませんでした。優しさなど多くの良いところがあったとしても、生きていくためにどうすることもできない非力な私たち…。私はそれでも仲間の声を聞くために奔走しました。しかし、いくら考えても解決策は皆無で、ただ社会を憎み、強がることしかできませんでした。

そんな私が今50歳になり、曲がりなりにも牧師として、小さなNPO法人の理事長として、少しは真っ当な社会生活を送れるに至っています。それは私の力ではなく、たくさんの人の支えがあったからです。特に、反社会的な存在であった私を信じ、外見ではじかなかった数人の大人が、私を変えるのではなく、かえって受け入れ、『環境』を整えてくださり、何度も挫ける(くじける)私を励まし、見守ってくれた結果が、今こうして私という存在をつくってくれたのです。

ここから、人は例えどれほどの弱さや欠け、狂気を内に秘めていようとも、なお、大いなる可能性を生まれながらに備えていると私は確信しました。また、こんな自分も共に『環境』をつくり、未来を志向すれば、誰もが自分らしく生きることが可能であることを私は知ったのです。その上で、変えられない運命ならば、誰かに共に人生を背負ってもらうことで前進していける、しかもその傷から、他の誰かや社会を癒す力になれることを教えられてきました。そして、弱さと欠けは、他者と共に生きる恵なのだ、だからこそ、お互いにありのままの自己と他者を受け入れ、敬意を払い、大切な存在として共に生きる場所と存在がつながり合うことが必要なのです。私の人生の敬意を経て、そのような場所と存在をホッとスペース中原は造っていきたいのです。

今後、社会はますます苦悩する人が多くなり、福祉を必要とする人が多くなるでしょう。また、一人ひとりの生きにくさや都市化に伴う社会的孤立や心身の障碍や不安などが増大するでしょう。ホッとスペース中原はその人たちへどのように関わり、事業化し、支援するのかが問われています。私は社会の誰もが排除されない「包摂」その場所を、元当事者として、当事者と模索していきたいと考えています。

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